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日本の医療はこれまで、5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)と6事業(救急医療、災害時医療、新興感染症対策、へき地医療、周産期医療、小児医療)に特化し、それぞれ個別の医療圏や提供体制を整備してきました。
しかし、地域医療資源を最大限に活用し、持続可能で質の高い医療を目指すため、これらの領域を超えた連携と、地域全体を視野に入れた医療提供体制の構築が喫緊の課題となっています。
例えば、周産期医療やがん医療では、従来の二次医療圏にとらわれず、地域の実情に応じた柔軟な医療圏を設定。高度な医療を必要とする分野では、医療機関の集約化(医療資源の集中)も検討されています。
重要なのは、各領域に共通する医師や麻酔科医といった医療資源を有効活用すること。外科医はがん手術だけでなく、一般的な疾患の手術も担うため、特定の領域に限定せず、地域全体の医療提供体制を踏まえた検討が不可欠です。
今後、質の高い医療を持続的に提供するため、国や都道府県は、地域ごとの医療資源を「見える化」し、住民のアクセス確保に十分配慮しつつ、医療技術の難易度や治療法ごとに、均てん化・集約化の方針を検討することが求められています。これは、個々の疾患や事業の枠を超え、地域全体で医療を守り育てるための重要な取り組みです。
第116回社会保障審議会医療部会
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