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2025年12月1日

2026年度診療報酬改定、基本方針議論スタート!
経営逼迫とDXが主要課題

中央社会保険医療協議会(中医協)では、令和8年度の診療報酬改定に向けた「基本方針」の策定議論が進行中です。事務局から提案された基本認識と4つの視点に対し、委員からは活発な意見が寄せられました。

最も重視されたのは、「物価や賃金、人手不足などの医療機関等を取り巻く環境の変化への対応」(視点1)です。

委員からは、物価高騰や人件費増により多くの医療機関の経営が逼迫している現状が指摘され、特に初診料や入院基本料など基本診療料の引き上げを通じた経営安定化と、医療従事者の確実な賃上げが「急務」であるとの意見が相次ぎました。

 

一方で、持続可能な社会保障制度を次世代に継承するため、現役世代の保険料負担が限界水準に達しているとの認識も示され、視点4の「効率化・適正化」も強く求められています。具体的には、医療機関の再編・集約化や、ICT/AIを活用した業務効率化などが議論の俎上に上がりました。

 

また、薬局・薬剤師関連では、医薬品の不安定供給への支援や、逆ざや問題への対応が喫緊の課題とされました。医療DX推進として電子処方箋の普及への評価や、OTC類似薬の給付のあり方についても、消費者保護の観点を含めた慎重な議論が必要とされました。

 

今後は、この日の議論を踏まえ、11月下旬に基本方針の骨子案が提示され、12月上旬の決定を目指すスケジュールとなっています。医療の質と経営の持続性を両立させるための、抜本的な対応が期待されます。


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出典: 第201回社会保障審議会医療保険部会 令和7年10月23日

URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65085.html

PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001584289.pdf


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