2025年4月23日に開催された中央社会保険医療協議会 総会 第607回において、令和6年度の
診療報酬改定が医療現場にどのような影響を与えたか、その検証結果が発表されました。
特に、精神医療、在宅医療、長期処方・リフィル処方箋、そして後発医薬品(ジェネリック医薬品)
の4つの分野に焦点が当てられました。その中でも今回の記事では、一部ピックアップして
紹介いたします。
リフィル処方箋、もっと活用を
薬局で繰り返し使えるリフィル処方箋は、患者さんの通院の手間を減らす便利な仕組みです。
リフィル処方は、症状が安定している患者に対して、医師の処方により医師及び薬剤師の適切な
連携の下で、一定期間内に、最大3回まで反復利用できる処方せんです。しかし、
今回の調査では、まだ多くの医療機関で活用が進んでいないことがわかりました。
患者さんの通院負担を軽減し、医療へのアクセスを向上させるため、今後、より積極的な
活用が期待されます。
ジェネリック医薬品の供給が課題に
医療費抑制のために推奨されているジェネリック医薬品ですが、現在その供給体制に深刻な問題が
浮上しています。
供給不安の現状
「1年前と比べて供給が悪化した」と回答した薬局は9割を超えており、安定供給への懸念が
顕著になってきています。
業務負担の増大
この供給不安は、薬局や病院の業務負担増大にもつながっており、早急な対策が
求められています。こうした状況を受け、政府は対策の一つとして、2024年3月から下記の
取り組みを行っています。
供給状況報告の義務化
「限定出荷や供給停止等の供給不足」が生じた場合、製造販売業者から供給状況の報告を
受けることを義務付けました。
一覧表の公開
報告された情報を基に一覧表を作成し、私たちもその内容を確認できます。
進まぬ医療のデジタル化
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が叫ばれる中、在宅医療の現場では、
いまだに多くの課題が横たわっています。
電子カルテなどのシステム連携ができない
職員のノウハウ不足
さらに、セキュリティの問題や費用負担も大きく、DX推進の壁となっています。国や関係機関が
連携し、医療現場のデジタル化をさらに強力に後押ししていく必要があります。
出典:中央社会保険医療協議会 総会第607回
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58058.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001479595.pdf