令和6年度診療報酬改定の結果を検証するため、多岐にわたる項目について大規模な調査が計画されています。(承認された計画に基づき、今後2年間にわたって実施されるものです)令和7年7月9日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)での内容をご紹介いたします。
現在、調査票案が作成されており、本日承認されれば、8月中に調査を開始し、11月中旬頃には結果が報告される予定です。この調査は、医療機関や薬局、そして患者さんを対象に、多岐にわたるテーマで行われます。
主な調査項目
① 長期処方・リフィル処方
薬局の立地経緯やリフィル処方箋の件数の変化、また、患者さんの長期処方や
リフィル処方箋の利用経験などが尋ねられます。
② 後発医薬品
長期収載品の選定療養制度がもたらした影響や、流通改善ガイド ラインの遵守状況を
調査します。さらに、患者さんが後発医薬品に切り替える際の、金銭的な負担感に
ついても尋ねられます。
③ 医療DX
今回初めての調査となります。マイナ保険証の利用状況や、オンライン資格確認の
実施状況など、医療DXの進捗度を包括的に検証します。また、患者さんのマイナ保険証
への認知度や利用メリットについても探ります。
④ かかりつけ歯科医
口腔管理体制強化加算の効果や、患者さんがかかりつけの歯科医院に通うきっかけ など、
歯科医療の機能評価について調査します。
⑤ かかりつけ薬剤師・薬局
地域支援体制加算や、ポリファーマシー(多剤服用)を解消するための取り組みの現状が
検証されます。
医療DXに関する調査については、マイナ保険証利用時の「特定健診情報」の活用実態について、設問をより具体的にすべきだという意見も出ています。また、システム上のデータとの整合性も踏まえた上で検討が進められる見込みです。
これらの調査は、今後の医療提供体制のあり方を考える上で重要なデータとなります。
出典:中央社会保険医療協議会 総会 第611回