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近年、アトピー性皮膚炎(AD)患者は増加の一途をたどり、小児〜18歳で10%以上、成人でも約5%にのぼります。ADは皮膚のバリア機能異常と炎症が複雑に関わる慢性疾患であり、治療には長期にわたる保湿スキンケア、炎症を抑えるステロイド外用薬、そして抗アレルギー剤などの内服薬が欠かせない標準治療です。
この標準治療に必須の薬剤がOTC類似薬として保険適用から除外された場合、患者さんの経済的負担は著しく増大します。特に保湿剤は全身に大量かつ頻繁に塗布する必要があり、これが全額自己負担となると、バイオ製剤や他の治療薬と合わせて、特に低所得者層や非正規雇用者にとって、生活を脅かす深刻な家計負担となります。ADは慢性疾患であり、この高額な負担を何十年と続けることは困難を極めます。
さらに、治療薬の適切な使用が困難になる懸念があります。ステロイド外用薬は症状の重症度や部位によって5段階の強度を医師が判断し処方しますが、保険適用外で薬局購入となると、自 己判断による 不適切な強度選択や、副作用への懸念から使用を控えることによる炎症の持続・重症化が危惧されます。また、OTC類似薬の抗アレルギー剤は、処方薬と名称が似ていても適用範囲が限られている場合があり、患者が誤認して服用することで、効果が得られず重症化を招く可能性もあります。
長期にわたり必要な標準治療を、経済的な不安なく、かつ適切に継続するためには、アレルギー疾患の治療に使われる薬剤・保湿剤について、従来通り保険適用を継続することが不可欠です。制度改正にあたっては、患者の声を反映し、適切な医療を維持するよう強く要望します

出典:第204回社会保障審議会医療保険部会 令和7年11月20日
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