新しい命を迎えることは、大きな喜びと同時に、不安も伴います。そんなお母さんと赤ちゃんが、もっと安心して過ごせるように、国の「第8次医療計画」で周産期医療(5疾病6事業)が新しくなろうとしています。(令和5年5月12日第98回社会保障審議会医療部会より)
周産期医療提供体制の強化と役割分担
今後の周産期医療提供体制では、総合周産期母子医療センターなどの基幹施設に、ハイリスクな妊産婦や新生児の対応を集約します。一方で、ハイリスクでないお産は地域の産科医療機関が担い、分娩を扱わない施設では妊婦健診や産前産後ケア、オープンシステム・セミオープンシステムを活用した連携を強化し、地域全体で妊産婦を支える体制を構築します。また、医療従事者の負担軽減のため、タスクシフト/シェアを推進。
産科医から助産師への業務移管を進め、業務の効率化を図ります。さらに、周産期医療の専門人材の育成を強化し、ハイリスク妊娠にも対応できる質の高い医療提供体制を構築していきます。
多様なニーズへの対応
周産期医療では、多様化するニーズへの対応も不可欠です。社会的ハイリスク妊産婦への支援を強化するため、市町村との情報共有を密にし、切れ目のないサポートを提供します。また、NICU(新生児集中治療室)に長期入院する医療的ケア児が、スムーズに在宅へ移行できるよう、地域の医療施設や福祉サービスと連携し、支援体制を強化します。多職種が連携し、心身両面からサポートできる体制を整え、安心して出産・育児ができる社会を目指します。

出典:第98回社会保障審議会医療部会
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210433_00041.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001096426.pdf