top of page

2025年11月14日

未来へつなぐ国民皆保険:世代間の「支え合い」を考える
医療保険部会の議論

2025年9月18日と26日に開催された医療保険部会では、持続可能な国民皆保険制度の実現に向け、多岐にわたる重要な意見が交わされました。

主な論点は、世代間・世代内の公平性確保と全世代での支え合う仕組みの整備です。人口構造の変化を踏まえ、「高齢者中心」から「全世代支援型」への再構築が急務とされ、給付と負担のバランス見直し、特に高額医療における負担能力への資産等を勘案した検討が必要とされました。

 

また、医療保険の持続可能性の確保のため、医療の高度化に伴う費用増大に対し、費用対効果を考慮した保険給付の見直しが議論されました。これには、OTC類似薬の保険適用除外や、低価値・無価値医療の抑制、バイオ後続品の使用促進などが含まれます。また、保険の原則として「小さなリスクより大きなリスクへの保障」が重要であるとの意見が出ました。

さらに、現役世代からの予防・健康づくりの促進、ヘルスリテラシーの向上、社会保険の「支え合いの理念」を含めた制度理解の啓発が重要視されました。

 

医療現場の環境変化への対応としては、医療DXの推進による効率化・質の向上や、物価・人件費上昇に対応するための診療報酬の見直し、医療を担う人材確保の必要性が挙げられました。経済成長と社会保障の好循環を目指し、持続的な制度構築に向けた議論を深めるため、「世代間の公平性」「セーフティネット機能の確保」「予防・次世代支援」「効率的な給付」の4つの視点に基づき、今後も検討を進める方針が示されました。

 

 

出典:第199回社会保障審議会医療保険部会

URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64202.html

PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001573276.pdf

NPO法人
医療介護タスクシフト・シェア振興会
〒104‑0031 東京都中央区京橋1-1-1-八重洲ダイビル9階 
bottom of page