人口減少と高齢化が進む日本において、医療供給体制の維持は大きな課題です。こうした状況を受け、厚生労働省は、2040年以降もすべての国民が必要な医療を受けられ、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる体制の構築を目指し、包括的な対策を提案しています。(令和7年6月25日第10回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会)
厚生労働省は、医師の偏在是正に向け、多角的なアプローチを推進しています。その根底にあるのは、国、地方自治体、医療関係者、保険者など、すべての関係者が連携し、若手からベテランまで全世代の医師を対象とすることです。
従来のへき地対策にとどまらず、医療機関の減少スピードが人口減少を上回る地域を「重点医師偏在対策支援区域」に設定し、集中的な対策を進めています。具体的な戦略として、経済的インセンティブの活用があります。重点区域における診療所の承継・開業・地域定着支援や、派遣・従事医師への手当増額などを通じて、医師の地域偏在の是正を目指します。また、医師養成過程の強化も重要な柱です。医学部臨時定員のあり方については、都道府県等の意見を十分に聞きながら必要な対応を進め、医師多数県においては、大学の恒久定員内の地域枠設置等を支援します。さらに、医 師少数県等での一定期間(24週程度)の研修を義務付ける「広域連携型プログラム」を2026年度から制度化し、地域医療への理解を深める機会を増やします。
これらの施策は、新たな地域医療構想や働き方改革など、他の医療改革とも一体的に推進されます。施行後5年を目途に効果検証を行い、3年間のPDCAサイクルによる継続的な改善を通じて、地域医療の持続可能性を高めていく重要な一歩となるでしょう。
次回に続く
第10回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会