消費者安全調査委員会は、住宅の窓やベランダからの子どもの転落事故に関する調査報告書を
公表しました。
この報告書は、子どもの安全を巡る痛ましい事故の現状と、その再発防止に向けた具体的な提言を
まとめたものです。
事故の現状
死亡事故の発生2014年から2023年の10年間で、9歳以下の子どもの建物・建造物からの
転落死亡事故が58件発生。そのうち1歳から4歳が42件と最も多くを占めています。
救急搬送の状況東京消防庁のデータによると、2020年から2024年の5年間で、
6歳未満の窓やベランダからの転落による救急搬送は63件。
多くが入院を要する重症事例です。
転落箇所の内訳ベランダからの転落が多く、窓からの転落は1歳児、ベランダからの
転落は3歳児が特に多く見られます。
保護者の在宅状況事故発生時の保護者の在宅状況は、約半数が在宅中であり、
少しの目を離した隙に事故が起きている実態が浮き彫りになっています。
事故の主な原 因
転落事故の多くは、以下の要因によって引き起こされています。
足掛かりの存在
窓やベランダの近くに、ベッド、ソファ、机、イス、プランター、室外機などが置かれ、
子どもがそれらを利用して容易に上ってしまう状況が確認されています。
窓の開閉・施錠状況
窓が開け放しになっていたり、施錠が不十分であったりすることも
事故の一 因となっています。
再発防止策
報告書では、以下の3つの対策が提言されています。
転落防止対策をした住宅の普及
転落防止用製品の研究・開発
転落に至るプロセスと防止方法の周知啓発
子どもたちが安全に過ごせる住環境を実現するためには、私たち一人ひとりが意識を高め、
社会全体で協力していくことが不可欠です。
消費者事故等調査報告書【概要】 -住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故-
PDF:https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_025/assets/csic_cms201_250624_10.pdf