top of page
令和6年度の診療報酬改定により、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の治療が大きく変わろうとしています。これまでの「特定疾患療養管理料」から、より専門的で包括的な「生活習慣病 管理料」への移行が図られ、単なる投薬治療ではない、新しい疾病管理のあり方が示されています。
令和6年度の改定での最大のポイントは、多職種連携の推進です。医師だけでなく、薬剤師、看護師、管理栄養士、そして歯科医師までがチームとなって患者さんをサポートする体制が推奨されます。特に糖尿病患者さんに対しては、歯周病リスクを考慮し、歯科受診が積極的に促されます。
歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼし合う関係にあるため、どちらか一方の対処だけでは不十分です。糖尿病患者は、内科的な治療に加えて、定期的に歯科を受診して口腔内の健康状態をチェックすることが大切です。
また、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した情報共有や、患者さん自身が治療内容を深く理解するための「療養計画書」の活用も重視されて います。これにより、患者さんが主体的に治療に取り組めるようになります。
さらに、病状が安定している方には、通院の手間を減らす「リフィル処方」や「長期処方」の活用も広がる見込みです。
今回の改定は、生活習慣病の治療が、薬の処方だけでなく、患者さんの生活全体をサポートする、よりパーソナルで総合的なアプローチへとシフトしていくことを示しています。これにより、一人ひとりに合わせた質の高い疾病管理が期待されます。

出典:中央社会保険医療協議会 総会 第611回
bottom of page