厚生労働省は、脳卒中や心臓病などの循環器病患者を包括的に支援するため、「脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業」を実施しました。この事業は、専門知識を持つ医療機関に「脳卒中・心臓病等総合支援センター」を設置し、地域全体の患者支援体制を強化することを目的としています。
患者の評価と今後の課題
センターの利用者を対象にしたアンケート調査では、その支援効果が高いことが明らかになりました。情報提供や支援によって、61.8%の利用者が「概ね解決した」と回答し、24.2%が「半分程度解決した」と答えました。また、97%の利用者が「今後も利用したい」と回答しました。良かった点としては、「問題解決につながった」ことや、「親身に話を聞いてもらえた」ことが特に多く挙げられました。
一方、事業にはいくつかの課題も浮き彫りになりました。院外からの相談件数が少なく、一般市民への広報活動の強化が必要であると指摘されました。また、短期入院患者や、他院に通院する患者への支援が不十分なケースもあり、地域との連携をさらに強化する必要があることが示されました。セカンドオピニオンのような個々の病態に関する相談では、情報が少ないために一般的な回答しかできず、個別的な対応に限界があることも課題となりました。
これらの課題を解決するため、広報活動の強化、地域連携のさらなる構築、医療圏ごとの支援体制の整備などが提案されています。今後は、モデル事業の有効性を検証した上で、この支援体制を全国に広げることを検討しています。

出典:厚生労働省 脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/jyunkanki/index.html