令和7年10月16日に開催された第200回社会保障審議会医療保険部会にて取り上げられた内容を紹介いたします。
厚生労働省は、現下の医薬品供給不安に対応し、安定供給の確保を基本に据えつつ、後発医薬品(ジェネリック)の適切な使用を促進するため、従来のロードマップを改訂しました。新たな目標として、2029年度末までに全ての都道府県で後発医薬品の数量シェア80%以上(主目標、継続)を掲げるとともに、医療費適正化の観点から金額シェア65%以上(副次目標②)を新たに設定しています。
供給不安の解消と国民の信頼確保に向け、
(1)品質確保のための無通告立入検査の実施や企業による自主点検
(2)安定供給のための企業からの供給不安・状況報告制度の整備、法的枠組みの検討などが重点的に進められます。
また、バイオ医薬品の後続品であるバイオシミラーについては、その特性を踏まえロードマップの別添として「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を策定。
2029年度末までにバイオシミラーが80%以上を占める成分数を全体の60%以上とする副次目標①を設定しました。
バイオシミラーの分野では、特定の使用者を念頭に置いた普及啓発活動、海外依存リスクを避けるための安定供給体制の確保、保険給付の在り方の検討、そして国内バイオ医薬品産業の育成・振興に向けた製造人材研修の実施などが盛り込まれています。
これらの取り組みは定期的にフォローアップされ、令和8年度末を目途に状況を点検し、目標の在り方も含め検討される予定です。
また、後発医薬品産業の構造的な課題を解決し、安定供給を実現するため、品目統合や事業再編を後押しする製造基盤整備基金の創設も進められています。
※ バイオ医薬品とは
バイオ医薬品(バイオテクノロジー応用医薬品)は、遺伝子組換え技術や 細胞培養技術等を応用し、生物が持つタンパク質(ホルモン、酵素、抗体等)を作る力を利用して製造される医薬品です。
※ バイオミラーとは
バイオシミラー(バイオ後続品)は、国内で既に承認・販売されているバイオ医薬品(先行バイオ医薬品)の特許期間・再審査期間満了後に、異なるメーカーから販売される、先行バイオ医薬品と同等/同質の製品です。

出典:第200回社会保障審議会医療保険部会
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64752.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001579694.pdf