第127回社会保障審議会医療部会では、2040年に向けた医療人材不足への対応として、「医療機関の業務効率化・職場環境改善」と「医療関係職種の安定的な養成・確保」の方向性が示されている。
2040年頃には高齢者人口がピークを迎える一方、生産年齢人口は減少していく見込みであり、医療従事者の確保はさらに困難になるとされている。また、18歳人口の減少により、医療関係職種の養成校では定員充足率の低下も課題となっている。地域によって人口減少や医療需要の状況が異なることから、地域の実情に応じた対策が必要とされている。
こうした背景を踏まえ、国は医療機関のDX化や業務効率化を重点的に推進する方針を示した。令和7年度補正予算案では、業務のDX化を支援するため200億円を計上し、医療機関全体へ取り組みを広げるとしている。また、労働時間や医療の質、安全性への影響などを分析しながら、診療報酬上の基準の柔軟化も検討するとしている。
さらに、業務効率化や職場環境改善に積極的に取り組む病院を公的に認定する仕組みや、医療法・健康保険法上で業務効率化への取り組みを医療機関の責務として明確化する方向性も示された。
加えて、タスク・シフト/シェアの推進、遠隔授業やサテライト化による養成体制の維持、多様な働き方に対応したリカレント教育なども検討されている。医療職がより魅力ある職種となるよう、キャリア形成や学び直し支援を含めた環境整備が求められている。
これらの内容から、今後の医療制度運営は、単なる人員確保だけでなく、「DXによる生産性向上」「働きやすい職場づくり」「地域に応じた人材養成」を組み合わせながら、持続可能な医療提供体制を構築する方向へ進んでいることが読み取れる。


出典:第127回社会保障審議会医療部会 令和8年4月28日
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72489.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001695746.pdf