医療現場の最前線で働く医師の過重労働は長年の課題でした。この喫緊の課題を解決するため、
2008年度の診療報酬改定で誕生したのが医師事務作業補助者です。
医師が本来の医療行為に専念できるよう、事務作業をサポートすることを目的に導入されました。
導入の背景と役割
医師の長時間労働の一因だった多岐にわたる事務作業を軽減するため、2008年に
医師事務作業補助者が導入されました。
特別な資格は不要ですが、新規配置から6ヶ月以内に32時間以上の研修が義務付けられています。
多岐にわたる業務と貢献
医師事務作業補助者の業務は多岐にわたります。主な業務は以下の通りです。
診断書作成補助
診療記録への代行入力
診療データ整理
院内がん登録、救急医療情報システムへの入力
単なる事務代行に留まらず、医療の質向上に直結する重要な役割を担っています。
診療報酬上の評価と「医師の働き方改革」
医師事務作業補助者体制加算は、2008年の創設以来、診療報酬改定の度に点数が
引き上げられてきました。特に2024年の改定では加算がアップし、
医師の時間外労働規制への対応として、その雇用促進が強く期待されています。
2024年度から本格化した「医師の働き方改革」では、医師から他職種への
タスクシフト・シェアが推進されており、医師事務作業補助者の役割はさらに拡大しています。
今後の展望
医師事務作業補助者は、医師 の働き方改革を進める上で不可欠な存在です。
実務者の確保や教育といった課題は残るものの、医療現場の重要な担い手としてさらなる活躍が
期待されています。
出典:厚生労働省 医療専門職支援人材確保・定着支援事業
PDF :https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/content/contents/2024-0628-3_5.pdf