近年、人口規模別にみた二次医療圏の診療所数には顕著な変化が見られます。
令和7年11月28日中央社会保険医療協議会にて取り上げられた内容をご紹介します。
厚生労働省「医療施設調査」に基づく分析では、2012年から2022年にかけて、人口20万人未満の医療圏では診療所数が減少傾向にあり、特に5万人未満では中央値で約2.5%減少しました。
一方、人口50万人以上の医療圏では増加傾向が顕著で、100万人以上では中央値で10.4%増加しています。こうした背景には、都市部への医療資源集中や地方の人口減少が影響しており、地域間の医療格差が拡大する懸念があります。
さらに、診療所医師の年齢構成を見ると、60代以上が過半数を占め、人口20万人未満の圏域では60%以上に達しています。高齢医師の引退に伴う診療所閉鎖リスクは高く、地域医療の持続性が危ぶまれます。このままでは「保険あってサービスなし」という事態に陥る可能性も指摘されています。
こうした課題に対し、国や都道府県は医師偏在是正に向けた総合的な対策を進めています。具体的に は、重点医師偏在対策支援区域の設定、診療所承継や開業支援、遠隔医療の活用、へき地医療拠点病院による巡回診療や代診医派遣などです。
また、若手医師の地域定着を促すキャリア形成支援や、大学病院との連携による広域的な医師派遣体制の構築も重要な取り組みです。今後は、地域の医療機能を維持し、国民皆保険を守るため、行政・医療機関・住民が一体となった持続可能な医療提供体制の整備が不可欠です。


出典:中央社会保険医療協議会 総会(第631回)令和7年11月28日
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67716.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001600990.pdf