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2025年10月29日

アルツハイマー病薬レケンビ、介護費用の扱いを議論

アルツハイマー病治療薬「レケンビ点滴静注」の費用対効果評価案が、今後の薬価決定に向けて議論されています。今回の議論で特に注目されたのは、医療費に加えて介護費用をどのように評価に含めるかという点です。

これまでの費用対効果評価では、医療費が中心でした。しかし、レケンビのような認知症治療薬は、症状の進行を遅らせることで、将来的な介護の負担軽減につながる可能性があります。このため、公的医療の立場だけでなく、介護費用も考慮した公的医療と介護の立場からの評価も同時に検討されています。

 

会議では、この介護費用の扱いに慎重な意見が相次ぎました。委員からは、「介護費用とは何を指すのか、その評価方法を明確にすべき」という声や、「介護費用を医療保険の財源で評価することは、保険制度の哲学に関わる重要な問題だ」といった指摘が出されました。また、介護費用の具体的な計算方法がまだ確立されていないため、まずはその手法自体をしっかり議論する必要があるという意見も聞かれました。

 

最終的に、今後のプロセスとして、事務局は介護費用の評価方法についてさらに検討を進めることとなりました。同時に、薬価算定組織で両方の立場からの薬価を算出し、改めて中医協総会で議論することになりました。今回のレケンビの評価は、今後の同様のケースにおける先例となるため、その結論が注目されます。



出典:2025年7月9日 中央社会保険医療協議会 総会

URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_61173.html

PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001514763.pdf

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