第37回がん登録部会にて利用実績が報告され、全47都道府県で活用がある一方、市町村や民間での利用は限定的であることが示されました。一方でがん登録情報利用マニュアル改訂や、希少がんの新分類開発を行い、利活用の推進が期待されています。
令和8年8月24日に開催された第37回がん登録部会にて、全国がん登録情報および都道府県がん情報の最新の利用・提供状況が報告されました。
2018〜2025年度の実績(概数)によると、都道府県によるがん対策等の利用は47すべての自治体で実績がある一方、市町村による利用実績は18県にとどまっています。また、民間機関等による顕名情報の利用は年間10〜20件程度、匿名化情報の利用は年間20〜40件程度、病院による予後情報の利用(法第20条)は年間70〜210件程度となっています。こうした利活用の推進においては、申請手続きの煩雑さに加え、データを分析・活用できる専門人材や相談支援体制の不足が現場の課題として挙げられています。
がん登録情報利活用の推進として、令和8年7月31日に実施されたマニュアル改訂により、法第20条に基づく「生存確認情報の加工方法」が新たに追加(死亡日・診断日の疑似日付での提供)されました。これにより、これまで制限されていたデータの取り扱いが変更され、より高度なデータ連携や学術研究での分析が期待されます。
さらに、日本の希少がん対策における分類上の課題に対応するため、WHO腫瘍分類等に基づき大分類を「部位」基準に一貫して統一した新分類「NCRC(New Classification of Rare Cancers)」が開発されました。全国がん登録のデータを用いて、部位別の症例数や罹患率の算出が行われ、希少がんの実態が明確に比較できるようになり、がん登録情報のさらなる利活用が期待されています。


URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75738.html
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001741627.pdf https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001741628.pdf