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令和7年10月17日の中医協総会などで議論された外来医療の課題は、「かかりつけ医機能」の適切な 評価と普及に集約されています。
かかりつけ医機能の普及に向け、医療機関の機能を可視化する「かかりつけ医機能報告制度」が施行されます。この制度の「1号機能」(日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能)は、かかりつけ医機能の出発点として極めて重要であり、現行の診療報酬での評価を抜本的に見直すべきとの意見があります。
特に、機能強化加算や地域包括診療料の届出数が伸び悩んでいる現状を踏まえ、算定要件を見直して、実際に機能を発揮している多くの医療機関を適切に評価することが重要とされています。
一方で、かかりつけ医機能報告制度は医療機関の「認定」ではなく、地域で連携して患者を支える体制を構築するための「現状把握」であり、診療報酬と単純に関連づけるべきではないという慎重な意見も併存しています。
高齢化の進展に より、複数の慢性疾患や医療・介護の複合ニーズを持つ患者が増加する中、地域の医療機関や多職種が連携し、効率的に質の高い医療を提供できる体制の確保が急務です。
かかりつけ医機能報告制度は、国民・患者への情報提供を通じて適切な医療機関の選択に資するとともに、地域の協議の場で不足する機能を把握・確保する方策を検討する基盤となります。今後は、医師の教育・研修の充実や、医療DXによる情報共有基盤(全国医療情報プラットフォーム)の整備など、地域全体でかかりつけ医機能が発揮されるための基盤整備が推進されます。

出典:令和7年10月17日 中央社会保険医療協議会 総会 第621回
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