私たちが病院を受診した際、窓口で支払う医療費はごく一部です。では、残りの大部分は一体誰が
負担しているのでしょうか?厚生労働省が取り組む医療費の『見える化』によって、その仕組みが
明らかになっています。
医療費の「見える化」とは?
「医療費の見える化」とは、厚生労働省が日本の医療費がどのように賄われているかを国民に
分かりやすく示す取り組みです。医療費全体のうち、皆さんが窓口で支払う自己負担額、
そして残りを賄う保険料と公費(税金)がどのような割合になっているかを定期的に
公表しています。これにより、私たちが安心して医療を受けられる「医療保険制度」が
どのように成り立っているのかを理 解してもらうことが目的です。
医療費の現状と高齢化の影響
直近のデータ(令和4年度)によると、日本の医療費は約43.7兆円に上ります。このうち、
患者さん自身の窓口負担は約14.8%で、残りの85.2%は医療保険から支払われています。
この85.2%の内訳は、公費が32.2%、保険料が53%です。自己負担が少ないと感じるのは、
医療費が高額になった際に家計の負担を軽減する「高額療養費制度」があるためです。
高齢化が進むにつれて、医療費全体に占 める後期高齢者医療費の割合が増加しています。
私たちが生まれてから亡くなるまでに平均してかかる「生涯医療費」は約2,800万円と
言われています。その約85%にあたる約2,300万円が医療保険から給付されています。
現在の医療保険制度は、現役世代が高齢者を支え、将来は自分が支えられるという
「世代間の支え合い」で成り立っているのです。
私たちが健康な生活を心がけることはもちろん、今後も続く高齢化社会の中で、いかに公平で
納得感のある医療制度を維持していくか、国民一人ひとりが関心を持つことが重要です。
出典:第194回社会保障審議会医療保険部会