top of page

2025年12月17日

「地域中心」への転換期:精神医療が挑む多職種連携
・病床削減・身体合併症対策~Part2~

精神医療の改革におけるもう一つの重要な柱は、患者の権利擁護と、高齢化に伴い増大する身体疾患への対応です。

現在、精神科救急急性期医療入院料などで重症患者の受け入れ要件となっている医療保護入院などの非同意入院の割合について、強制的な入院を助長しないよう、見直しが議論されています。これは、患者さんの人権を尊重しつつ、真に緊急性の高い医療を届けるための重要なステップであり、緊急性の判断に用いる新たな客観的な指標への移行が検討されています。

 

また、精神疾患患者の高齢化が加速する中で、精神身体合併症への対応は喫緊の課題です。生活習慣病や透析など、慢性的な身体疾患を抱える患者さんが増える一方、精神科病院内での内科医などによる診療体制が十分でない状況があります。