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2025年8月27日

医師が働きやすい病院のいろいろ

 NHKスペシャルの「ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で」は、医療界の中でも大きな反響がありました。まだご覧になっていない方は、ダイジェストがYouTube配信されていますので、ぜひ一度見ていただければと思います。さらに、各種団体や他メディアからの反響についてもぜひ眺めて見ていただくことをお薦めします。様々な受け止めがあって当然の大きな話題なので、ここでは番組の論調への賛否は述べません。


 さて、色々な課題がありますが、医師の地域偏在や診療科偏在が存在すること自体については、どんな立場の人も異論はないようです。つまり、とりわけ医師が不足する地域や診療科がある一方で、相対的には人手不足が少し緩やかな現場もあるということです。


 これは社会全体の課題ですから、病院で何らかの根本解決をするには限界があります。番組にもあるように、置かれた環境がすでに「限界」に達しているのであれば、撤退という選択肢も現実味を帯びてきます。いくら頑張っても「解なし」の問題を解くことはできません。


 ないものねだりをしても現実は変わらないので、あくまで置かれた環境の中で何をするのかが論点となってきます。まだ「解」を求めることができる環境にあるのであれば、少しでも医師が働きやすい病院を目指してみる価値はあるでしょう。その一つがタスクシフトやタスクシェアであることは言うまでもありません。


 とはいえ病院は組織ですから、個々の医師が考える「働きやすい病院」の要素をすべて実現することもこれまた不可能です。医師事務作業補助体制加算を含む各種加算では、勤務医の負担軽減に資する要素が列挙されており、どこまで取り組みを進めているのか届出することも要件になっています。これは各病院が考える「うちの病院が考える、働きやすい病院の優先順位」を明確にする上でも便利なツールなので、ぜひ届出に限らず、幅広に活用していただければと思います。



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