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2025年9月24日

事務DXを考える前に

 病院DXが進む中では、医師の働き方改革が中心になりがちです。

しかし、病院業務は医師が発生源となる場合も、医事課が算定業務を行うまでは完結しません。つまり業務全体を見据えていかないとDXは進まないので、いかに事務DXを進めるかがカギという側面もあるのです。


 しかし、事務DXといってもイメージが湧きにくいと思います。例えば医事課の算定業務ひとつを取ってみても、電子カルテから診療行為のデータを受け取った後に、医事会計システムで算定を確定させるまでのプロセスは、病院ごとの違いもあり、ややブラックボックス的な側面もあるといえます。ベテラン医事課員の引退が相次ぐ事態にあって、そのノウハウをどのように継承していくかというDXの視点も軽視できません。


 医療行為は、細かい業務手順の一つ一つに法的規制がかかるので、プロセス全体も自ずと可視化されます。しかし事務的な業務は、仮に算定ルールが明確であっても、誰がどのようなプロセスでこれを遂行するかまで規制を受ける訳ではないため、業務が属人化しやすいという特性があります。


 DXが進むと、こうした属人的な業務が、どんどん標準化されます。それだけに、属人化された業務が多いと、「うちの業務に合わないので、このシステムは使えない」等の反応も出がちです。事務DXを進めるには、実は、こうした属人化に振り回されない人に推進してもらうことがとても重要です。

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