マイナ保険証が少しずつ広がっていますが、まだまだ医療関係者を対象とした研修会などで聞くと「マイナ保険証を使ったことがない」「マイナポータルで処方歴等を見たことがない」との反応が圧倒的多数を占めるように感じています。
他方、「マイナの電子証明書を書き込んだスマホで、コンビニで住民票を受け取った
ことがある」と答える方はまあまあいます。ここが実装のカギかなと感じます。
マイナンバーカードは大事なものですから、逆に、持ち歩きしたくないと感じる方も
いらっしゃるかもしれません。しかしスマホを持ち歩かない人はいません。
ならば、「スマホ+生体認証」という形でマイナ情報を用いることが、一番現実的だということは、既に住民票交付では定着しているといえるでしょう。徐々にスマホによるマイナ保険証が広がってくると、マイナ利用率は格段に上昇してくると予想されます。
むしろ、医療従事者としては、マイナポータルで何が見られるのかを知っておくことが重要だといえるでしょう。今まで何の薬を飲んでいたか患者さんが答えられなくても、マイナポータルを開けば既に簡単に把握できるようになっています。しかし、その画面を見たことがない医療従事者が多い現状では、その機能を有効活用するには至っていないと言わざるを得ません。
2000年頃から、医療機関同士を結ぶElectoronic Health Records(EHR)が全国各地で
自主的に整備されてきました。今でも有効活用している地域もある一方で、維持することが難しく断念した地域も少なくありません。これには地域のばらつきも大きいことから、EHRが定着している地域はそれも活用しつつ、全国的な方向性としてはマイナポータルが主流になってくると思われます。
マイナ保険証はあくまで手段であり、マイナポータルなどの活用を通じて、自らの
健康管理に自ら関心を持ってくれる人が増えることがさらに大事なことです。
そんな一端を担うべく、ぜひマイナポータルに身近になっていただければと思います。